どん底飯2 〜僕のどん底飯〜

イタリアでの修行中、
『 どうしようもない気持ちになったとき以外は、イタリア料理以外
のものを口にしてはならない』

 


 

 

 

イタリアでの修行中、
『 どうしようもない気持ちになったとき以外は、イタリア料理以外
のものを口にしてはならない』

 

というルールを自分に課していた。

 

1年が経つ頃には、金が底を尽きかけていたということもあって、
平気でケバブを食べていたわけだが、少なくともそれまでは
このルールに準じた生活を送っていたものだ。

 

ここでいう『 どうしようもない気持ち』とは、

 

例えば何度も告白してフラれ続けた女の子の結婚を知らされた時のそれであり、

 

例えばその女の子の新婚旅行先が僕の修行先であったナポリである
ということを知らされた時のそれであり、

 

その旅行先についての彼女のフェイスブックでの投稿を同じナポリ
からちゃんと全て確認した時のそれである。

 

そういうわけで、僕はそんな時、できるだけみすぼらしい中華屋へ行った。

 

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イタリアにおけるある種の中華屋での食事というものは、あらゆる意味でろくでもない。

 

そこでは本格的な料理経験もほとんどない中国人が、自分が中国人であるという
アイデンティティのみを唯一の理由に店を営んでおり、
店内のテーブルはどことなくべた付いていて、あってないようなサービスと、
イタリアにおける異人たちがそのほとんどという客層のおかげで、
席に座っているだけで、自分はいったいここで何をしているんだろう?と
いう、この世の果てに来た気持ちになることができる。
そこで出てくる旨くも不味くもない、安いだけの料理達がまた心を打つのだ。

 

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  この手の店ではまず間違いなく無造作に置かれたテレビで、恐ろしくチープな中国製の

メロドラマが放映されており、これもまた鈍い五寸釘のように僕の心を打ったものだ。

 

激しく打ったものだ。


僕が最も痛烈などん底飯を食べたナポリの中華屋ではないのだけど、
せっかくなので、現地で撮ってきたフィレンツェの中央市場近くにある
中華屋での写真を載せておこうと思う 。
(料理の写真ばかりで恐縮だけれど)

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ここにはテレビこそないものの、上記の条件はほとんど満たしているし、

何より紙皿で料理が出てくるのが良い。

 

そういえば『春巻』をイタリア語に直訳して
『Involtini Primavera インボルティーニ・プリマヴェーラ』と
メニューに表記されていたことを思い出したが、

 

この気取った感じが今になると心底腹立たしく思えてくる。


落ちるところまで落ちればあとは上がるだけだと思って
わざわざこのような場所を探して食事をするわけだが、
結局どん底だと思っていた場所がより一層深い底になるだけで、
まったくなんの解決にもならず、なし崩し的に再び鬱屈した日々を送ることになる。

 

そうして、明日から再び始まるそうした日々を思い浮かべながら、
ため息まじりの覚悟を決めてたいして旨くもない中華料理をビールで
胃袋に流し込むのだけれど、僕は何かこうした
『覚悟みたいなものを思って飲み物を飲む』

 

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というシチュ ーションで、必ず思い出す茶の記憶というのがあって、

どうしてもこの話がしたいので、次回のテーマはこの茶の話しにしようかと思います。

 

それではまた次回『シレン麦茶』で。


SAKURA スーシェフ 石橋

 

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